こんにちは、ARTE DENTAL CLINICです。
今回は、顎関節症についてお話ししていきたいと思います。
顎関節症とはなに?
- ▪︎ 顎が思い通りに動かず、口が開けにくい
- ▪︎ 食べ物が噛みにくい、固いものが噛めない
- ▪︎ あごを動かすと痛い
- ▪︎ 口を開け閉めする時に顎関節の雑音がする
- (カックン、コッキン、ジャリジャリなど)
さらに症状は顎ばかりでなく、肩こりや、目の疲れ、腕や指のしびれ、偏頭痛、耳や鼻にも不快感を覚えることもあります。
このように顎関節症の症状は広範囲にわたり、人によっては軽い症状から重い症状まで、個人差が大きいのが特徴です。
そしてひとまとめに顎関節症と言っても、その中で4つの分類に分けられます。
①Ⅰ型:咀嚼筋痛障害
あごを動かす筋肉に痛みが生じる状態
②Ⅱ型:顎関節痛障害
顎関節内で炎症を起こし、顎関節自体に痛みが生じる状態
③Ⅲ型:顎関節円板障害
顎関節の中の関節円板の位置がずれた状態
④IV型:変形性顎関節症
顎関節を構成する骨が変形した状態
このうち①Ⅰ型:咀嚼筋痛障害を患っていらっしゃる患者様によく併発してみられるものが「歯列接触癖」です。
前回のコラムで「歯列接触癖(TCH)」についてまとめていますので、よかったらご参照ください。
顎関節症の原因とは?
- ▪︎ 急激なストレス(精神的な緊張は、筋肉を緊張させます)
- ▪︎ 歯ぎしり
- ▪︎ 何かに熱中したり緊張して強く食いしばる(一日中スポーツをした。冷房が寒くて歯をくいしばった、特別な行事で緊張してくいしばった)
- ▪︎ 唇や頬の内側をかむ癖がある
- ▪︎ 頬杖、うつ伏せ寝、不良姿勢(例 : 猫背)
- ▪︎ 顔面打撲や事故による外傷
- ▪︎ 入れ歯や歯にかぶせたものが体にあっていない(悪い噛み合わせ)
- ▪︎ 大口を開けたり、硬いものを噛んだ(顎の酷使)
- ▪︎ 左右どちらか一方でばかり噛む癖がある、片側の歯が悪いため反対の歯だけで食べ物を噛む
- ▪︎ うつ、不安因子がある 、睡眠障害(ストレスで夜よく眠れない)
顎関節症はどのように診断するの?
症状がどのように始まり、どのように変化したかお聞きし、顎関節や筋肉、口の中を診査していきます。
必要に応じてエックス線撮影やCTによって骨の異常の有無を調べていきます。
顎関節症で出現する痛みや口の開けにくさは、親知らずの炎症や他の病気でも出ることがある症状なので、顎関節症であることを診断するためには、他の病気によって出てきている症状ではないことを確認する必要があります。
顎関節症の治療方法は?
顎関節症の治療法は噛み合わせを治すことが一番重要です。
スプリント治療(マウスピース)
例えばスプリント(マウスピースのようなもの)を上顎あるいは下顎にいれ、上下の噛み合わせが均等に接するようにします。 そうすると顎の関節頭が正しい位置に戻り、筋肉の緊張がとれ、スムーズに動かすことができるようになります。
セルフケア
顎関節症の治療で最も重要で不可欠なのが患者様自身による「セルフケア」
日常生活での注意点、歯のくいしばりや歯牙接触癖の改善、ストレッチ、日常の口を開ける練習など、患者様の状況に合わせて指導いたします。
顎関節症は長い時間の経過と共に症状が緩和することが多い疾患です。そのため、治療は侵襲が少なく可逆的(元に戻せる)な治療が基本となります。
自然治癒には長い時間が必要だったり、中には重症化する場合もあります。重症化を防ぐためには早めの診断、治療をうけていただくことをおすすめいたします。
ご不安なことや気になることがありましたらお気軽にご相談・ご来院ください。