こんにちは、ARTE DENTAL CLINICです。
今回は顎関節症の原因の一つとも言われているこ歯列接触癖(TCH)とは何なのか?その対策についてお話していきたいと思います。
歯列接触癖(TCH)とは?
歯や咬み合わせのことなど意識していない安静時でも上下の歯と歯が接触し続ける癖のことを言います。
英語名称の“Tooth Contacting Habit”の頭文字をとった略称で、TCHとも言われます。
「あれ?今思えば自分は気が付いたら歯と歯が接している。口を閉じたときに歯と歯が当たるのっておかしなことなの?」思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は、そもそも人間の咬み合わせにおいて、上下の歯と歯は解剖学的に1~3㎜程度の隙間(安静空隙)が空いている状態がリラックスしている状態で正常と言われています。
下顎は、筋肉でぶらさがっている状態なため、歯と歯が接触し続けているということは、筋肉が過剰に働いているということになります。
そして通常上下の歯の接触は、
①食事などでものを嚙むときの咀嚼
②ものを飲み込むときの嚥下
③喋っているときの会話
などで瞬間的に接触するのみで、その接触時間は積算しても1日平均してたったの約20分と言われています。
しかし、実際にはこれら以外の時にも上下の歯を接触させたままな方が多数いらっしゃるのが現状で、特に顎関節症の患者様ではこの比率は高く、歯の接触を癖として認識していない、当たり前のことになってしまっています。
歯列接触癖(TCH)をしていると
- ・ 顎関節症
- ・ 肩こり、頭痛、歯痛
- ・ 歯並び、かみ合わせのずれ
- などの症状が出やすくなってきます。
歯列接触癖(TCH)は治るの?
正しい治療法を行えば必ず治ります。
歯列接触癖(TCH)は主に認知行動療法と呼ばれる心理療法を用いて治療します。
「歯を接触させないように気をつける」
シンプルにこれだけでよいのです。
患者様ご自身に口を閉じる動きを行っていただき、歯列の接触には顎の筋肉を使っていることを体感、認識していただきます。
貼り紙などに「歯と歯が接触しているかの確認」をするようメモをし、日中目の付きやすいところに貼っていただきます。
そして日中その貼り紙が目に入るたびに、上下の歯の接触が起こってないかの確認をしてただきます。
もし接触していた場合、一度だけ肩を大きく上げて、一気に力を抜くことでリラックスしていただきます。
無意識にどうしても歯が接触してしまうことも。しかし、接触していたら歯と歯を離すことを意識して気づき、離すだけでも全然違います!
これを続けることで歯列接触癖(TCH)が改善され、美味しくお食事したり、家族や友達と楽しく会話し思いっきり笑いあえます。
もし顎関節症で悩んでいる方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談・ご来院ください。