こんにちは、ARTE DENTAL CLINICです。 唾液腺マッサージについてお話しします。 お口の中には耳下腺、顎下腺、舌下腺と呼ばれる唾液の出やすいポイントがあります。
唾液の分泌を促すために、唾液腺を刺激することを唾液腺マッサージといいます。
唾液腺マッサージの効果
① 食事がしやすくなる
食物をまとめたり、飲み込みやすくしたりといった唾液の効果により、食事がしやすくなります。
飲み込みやすくなることは誤嚥のリスクを減らすことにもつながります。
② 虫歯や歯周病の予防
唾液が細菌の侵入や繁殖を防ぐため、口の中の健康が保たれて虫歯や歯周病といった病気を防ぐことにつながります。
③ 会話がしやすくなる
口の乾燥は口臭につながったり、口が動きにくくなったりするため、会話をするのを妨げてしまう原因となります。
そのため唾液の分泌が促されることで、スムーズな会話につながります。
唾液腺マッサージを実施するタイミングは、食事の前です。唾液は食塊を形成し、飲み込みやすくする効果が期待できるので、誤嚥を防ぐことにもつながります。
耳下腺のマッサージ方法
耳下腺は、最も大きい唾液腺で全ての唾液量の約25〜30%を占めています。
1. 耳下腺は、奥歯と耳の間にあります。
2. 人差し指で軽く圧迫するように、やさしく円を描くようにマッサージします。
《 目標回数 》
10回×2〜3セットを目安に行いましょう。
顎下腺のマッサージ方法
顎下腺は、全ての唾液量の約60〜70%を占めているため、唾液腺マッサージの中で一番唾液が出る実感が得られるとされています。
- 顎下腺は、あごの骨の内側の左右のやわらかい部分にあります。
- 耳の下からあごの先まで4~5箇所に分けてマッサージします。
- 指の腹を使用し、軽く圧迫するようにやさしく行いましょう。
《 目標回数 》
5回×1〜2セットを目安に行いましょう。
舌下腺のマッサージ方法
舌下腺は、全ての唾液量の約5%を占めています。顎下腺と舌下線は、下あごから少し粘り気のある唾液を分泌し、食べ物をまとめる役割があります。
- 舌下腺は、舌の付け根の辺り、下あごのくぼみ部分にあります。
- 両手の親指の腹で軽く圧迫するように押し上げます。
- 痛みを感じたり苦しくなりやすいのでやさしく、ゆっくり行いましょう。
《 目標回数 》
10回×1セットを目安に行いましょう。
マッサージをする場合の注意点
- 口腔がんや咽頭がん
- 唾液腺の腫瘍
- 唾液腺の炎症
- 不整脈
簡単な唾液腺マッサージですが、いくつか注意点があります。
それはマッサージにより病気の症状が悪化する可能性があるようなケースです。
以下の病気がある場合は唾液腺マッサージをむやみにしてはいけません。
この中で不整脈がなぜいけないのか疑問に思われる方もいるかもしれません。
理由は耳下腺マッサージが耳下腺の近くにある器官を刺激するためです。
耳下腺の近くには血圧を調整する器官があり、唾液腺マッサージによる圧迫を血圧の上昇と誤って感知してしまい、血圧を下げるように調整してしまいます。
結果として、不整脈の症状が悪化してしまう恐れがあるため、実施を控えましょう。
また、首の周りには重要な神経や血管がたくさん通っています。
そのため、マッサージを実施するにしても、あまり強く圧をかけたり、もんだりしないようにしましょう。
唾液腺マッサージは、気軽に行うことができるため、ぜひとも習慣化したいものです。
「いただきます」の前に実施したりと自分で実施するタイミングを決めてしまうと、習慣化しやすいのでおすすめです。
しっかり唾液の分泌を促して、いつまでもおいしく食事をしましょう!