こんにちは、ARTE DENTAL CLINICです。
今回は、『エナメル質形成不全』についてお話ししていきたいと思います。
エナメル質とはなに?と思われる方が多いとおもいますので、はじめに歯の構造についてご説明していきます。
歯は表面からエナメル質→象牙質→神経(歯髄)という3層構造をしております。
エナメル質
歯の表面には一層、エナメル質という組織が有ります。
エナメル質はとても固く、体の中で最も硬い組織になります。虫歯になりにくい部位になります。
象牙質
エナメル質の内側には象牙質という組織が有ります。
エナメル質に比べて柔らかく、虫歯が広がりやすい部分になります。また、象牙質まで虫歯が進行した場合、痛みを感じることが多くなります。
神経(神経)
象牙質の中には歯髄と呼ばれる神経や血管が通る部位が存在します。
エナメル質の役割
歯の一番外側にあり、熱いものや冷たいもの、酸性の食品などが敏感な象牙質に触れないように
刺激やむし歯から歯を守っています。
歯に白い輝きを生み出しているのも、このエナメル質のおかげです。
そんなエナメル質がもろくなる?
ところが、歯を守るために大事なエナメル質が不完全な状態で生えてくることがあります。
歯の表面にボソボソとした白いまだらが生じたり、虫歯でもないのに歯の一部が茶色や黄色に変色したりしていた場合は、
エナメル質形成不全の疑いがあります。
原因はいくつかあげられます。
【 遺伝的要因 】
両親のどちらかにエナメル質形成不全が見られる場合、そのお子さんにも遺伝する可能性があります。
【 局所的要因 】
歯の発育段階の時に外傷を受けたり、乳歯に大きな虫歯ができた影響が永久歯にまでおよび、エナメル質形成不全が起きることもあります。
【 全身的要因 】
胎児だった頃に母親が栄養不良だったり、何らかの代謝異常などがみられた場合、エナメル質形成不全が起きることがあります。
また、重度の場合は歯の表面がデコボコしたり、
歯を覆うエナメル質がないため、象牙質がむき出しになったりしてしまいます。
エナメル質形成不全の症状がある歯は見た目の変化だけでなく、通常の歯よりも虫歯になりやすいという特徴もあります。
エナメル質形成不全が発症しやすい所は、奥歯(第一大臼歯)と前歯です。
特に奥歯は汚れが溜まりやすく、虫歯になりやすいため十分注意が必要です。
およそ5人に1人がエナメル質形成不全
と言われているエナメル質形成不全は決して珍しいものではなく、高い頻度でかかり疾患なのです。
しかも、乳歯の場合、もともとエナメル質が薄く、虫歯になりやすいのですが、
エナメル質形成不全の歯が虫歯になってしまうと
あっという間に歯の神経まで進行してしまうため、より一層注意が必要になります。
乳幼児検診や学校の歯科検診でエナメル質形成不全と診断されることもあるかもしれませんが、
その場合は必ず定期的に歯科に通いチェックをしてもらうことが重要です。
そして、虫歯になりやすいため、日頃からしっかりセルフケアを行いましょう!