こんにちは、ARTE DENTAL CLINICです!
今回は、誤嚥性肺炎の予防についてお話ししていきたいと思います。
誤嚥性肺炎とは?
口や喉の周りの筋肉が衰えると、飲み込んだものが食道ではなく、気管に入ってしまう「誤嚥」が起こりやすくなります。その結果、食べ物や唾液に含まれた細菌が、誤って気管から肺に侵入し、肺炎を引き起こすことがあります。
日本の死因第3位である肺炎の約30%は誤嚥性肺炎と言われています。
この誤嚥性肺炎によって、なんとインフルエンザの10倍以上、年間約38,000人もの方が命を落としているのです。(2018年厚生労働省人口動態統計)
まず、はじめに私たちが食事をする時に飲み込む動作、嚥下(えんげ)について簡単に説明します。
私たちが食べ物を食べる時の仕組み
先行期
食べ物の形や量を視覚で認識して、噛む準備をします。
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準備期
食べ物を噛み砕き、唾液をまぜ、飲み込みやすい形状にします。
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口腔期
舌の動きで咽頭に送ります。
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咽頭期
咽頭に入った食べ物は、気管に入り込むのを防ぐ複雑な動きで食道へ運ばれます。
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食道期
食べ物が食道から胃へ運ばれます。
食べ物を咀嚼し飲み込んだ後は、食道を通って胃へと食べ物は送り込まれます。
喉の奥は、食道へと流れる道と気管支への流れる道が2つに分岐しており、食べ物は食道へ、呼吸時の空気は気管支へと自動的に分かれていきます。
この飲み込む動作を『嚥下(えんげ)』と呼びます。
過去に、慌ててお茶を飲み込んだ時に、ムセこんだ経験はありませんか?
あれは、通常、食道へと運ばれなければならない水分が、誤って気管支へと流れ込んだ時の反射です。異物が気管支に入り込まないように、喉の奥には自然に起こる反射機能が備わっています。
誤嚥について
誤嚥(ごえん)とは、誤って飲み込んだ状態の事です。本来であれば、食道へと流れなければならない水や食べ物が、誤って気管支へと流れてしまうことを意味します。
健康な若い世代であれば、あまりムセこむことも多くありませんが、高齢者になればなるほど嚥下反射が低下してムセ込みやすくなります。特に、寝たきりの高齢者においては、嚥下機能が低下している場合が多いため、この誤嚥については、非常に注意しなければなりません。
なぜ誤嚥が危険なのか
誤嚥で多いのは、水や食べ物です。
それ以外でも唾液でも誤嚥を起こすことがあります。その他、夜寝ている時に、胃食道逆流により胃内容物を誤嚥したりする場合もあります。
特にこの場合は、酸や消化液を含んでいる胃液を誤嚥してしまうので、気道粘膜を損傷するため、肺炎が起こりやすくなると言われています。
誤嚥性肺炎とは、これら誤嚥によって起こる肺炎の事です。
誤嚥によって気管支に細菌が入り込んでしまい、そこで感染を起こしてしまいます。抵抗力のある若年層では重篤な肺炎にはなりにくいのですが、抵抗力の低下している高齢者は、わずかな誤嚥でも、容易に肺炎になってしまいます。そして、最悪の場合には、死に至る場合もある深刻な感染症です。
誤嚥性肺炎とお⼝のケア
誤嚥性肺炎の発症を抑えるためには、定期的な口腔ケアが一番効果的です!
口腔内を清潔にすることで、誤嚥性肺炎の発症率が低くなるといった報告も挙げられております。
最近はコロナ等「感染症の重症化予防」にも有効であることがわかってきました。
そのため、定期的な口腔ケアが「自らの命を守る大事なケア」であることが、今まで以上にクローズアップされています!
お口は健康の入り口です!日々のセルフケア+定期検診・クリーニングを行なっていきましょう!